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巨大な杉が立ち並ぶ森。静謐な雰囲気が漂う
巨大な杉が立ち並ぶ森。静謐な雰囲気が漂う
内部が巨大な洞となったセコイヤ杉
内部が巨大な洞となったセコイヤ杉
4〜6月は、雪解け水により滝は多くの水量を得る
4〜6月は、雪解け水により滝は多くの水量を得る
ヨセミテのシンボルとも言えるハーフドーム
ヨセミテのシンボルとも言えるハーフドーム
花崗岩の巨大な岩が山のいたることろから顔を出す
花崗岩の巨大な岩が山のいたることろから顔を出す
森、山、空の色彩が調和し“神々の住まう場所”を生み出す
森、山、空の色彩が調和し
“神々の住まう場所”を生み出す
シェラネバダ山脈の一角、LA都心部から6時間のドライブでたどり着ける世界的にも有名な国立公園は、“神々が住む場所”と称される大渓谷である。百万年もの昔、氷河に削り取られて形成された谷とその一体は、宝石のごとく輝く花崗岩の岩山と雪解け水により育まれる深奥な森、そして700mもの高低差を誇る荘厳な滝や渓流など、正に“自然”という言葉から想起される全てを併せ持っている。「公園」あるいは「渓谷」という言葉から狭いエリアを想像してしまうかもしれないが、その実、ヨセミテ公園の一帯は東京都以上の広範囲に及んでおり、一日でその全てを堪能するのは当然不可能。スケジュールに余裕があるようならば、最低3日は滞在したいところだ。

さて、今回このような“紹介文”を書いておきながら矛盾した話ではあるのだが、正直、ヨセミテの観光スポットを語ることほど無粋な話はない。他人の助言やマニュアルに従い、見所から見所を移動するような巡り方は、“神の住む場所”での在り方として正しいとは思えないからだ。自分の足で歩き、自然の息吹を五感で吸収するその工程こそが最高のスペクタクルであり、それは各人で違って然るべき。
 だが、あえてその禁を破ってまでお勧めしたい以下のようなスポットがあるのも、これまた事実だったりする。

・Mariposa Grove:公園の最も南に位置する昼なお暗い深き森に、世界最長年齢を誇る生物が住んでいる。その名は、ジャイアント・セコイヤ――。樹齢2700年以上にも及ぶ、偉大なる森の長老である。特筆すべきは、そのサイズ。この森を訪れた者は、己の「木」の概念を根底から崩されることだろう。あまりに使い古された言い方ではあるが、生命の神秘を感じずにはいられないはずだ。

・Bridal veil Fall:ベールを着けた花嫁の後姿を連想させることから、その名がついた滝。高低差は他の滝にやや劣るが、細めの河口から放射状に広がり降り注ぐ純白の飛泉、さらにそれに伴い舞う飛沫が日光に輝く様は、正に風光明媚のひとこと。「ブライダル」の名を冠するだけあり(?)、時期的には多くの雪解け水が得られる6月前後が最適! 他の滝や渓流も同様だが、8月〜9月は酷暑のため水が干上がってしまうので、要注意。

・Half dome:半球状の巨大な岩であり、ヨセミテのシンボル的存在。荒々しく切り立った断崖と、流麗な球状のラインの双方を備えており、見る角度によって異なる顔を見せてくれる。登ることも可能。

・El Capitan:2116メートルの高さを誇る、超巨大な一枚岩。地面に対してほぼ垂直に切り立ち、深厚な森を眼下に見下ろすかのようにそびえ立つその威容は、観光客の言葉を奪い、そして世界中のロッククライマーたちのチャレンジ精神を賦活する。

以上に挙げたのはヨセミテのほんの一部にしか過ぎず、そして先にも述べたように、これらを観なかったからと言ってヨセミテの魅力を見逃すということには決してならない。広大なる森羅万象の内にて自らも“地球を形成する自然の一部”と化し、その息吹を感得して頂きたい。
なお公園内ではキャンプを行うことも可能だが、その際には、火やゴミの始末には細心の注意を払うよう。さらに、食物や歯磨き粉、防虫スプレーなどの臭いを発するものは、必ず防臭加工をほどこしたバックなどに納めることも忘れてはならない。さもなくば、クマなどのエサとなり、文字通り自然の一部と化してしまいかねないのだ……。
 
Written & Photographed By AKATSUKI UCHIDA
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.002 神々の住まう場所にて、
自然に帰す−ヨセミテ国立公園
  取材地 アメリカ・カリフォルニア州
  記事執筆・取材・撮影 内田 暁
  2005. 4. 16掲載
 
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