
イーストリバーの眺め
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ホテルの部屋全体
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国連ビル
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室内に備え付けのガイド雑誌
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ホテルのベッド
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地下鉄ユニオンスクエア駅
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アメリカの子供たち
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グリーンマーケット
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グラセン駅のクラッシックな時計
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グランドセントラルターミナル
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朝日のまぶしい光に包まれたJFK国際空港。機体が下降を繰り返し、いっきに滑走路にすべりこむと、機内に安堵の空気が流れた。12時間のフライトは体に堪えるけれど、またこの街にもどって来た喜びがすべての疲れをふきとばす。三度目のニューヨークの旅。これまでは自由の女神にミュージカル、五番街でショッピングといわゆるおのぼりさん行動。ネオンの洪水と人の波にもまれながらタイムズスクエアを夜遅くまで徘徊したものだ。だけど今回は違う。時間に縛られない「生活するニューヨーク」が目的の一人旅。スケジュールびっしりのノートもなければ、どこに行くかを話し合う友人もいない。ゆっくりとした自分だけの時間を満喫するのだ。
見慣れたイエローキャブをつかまえ、空港から一路マンハッタンへ。今回の宿泊は44丁目東のミレニアムUNプラザ。高層ビル群や喧騒の街中からはずれた閑静なロケーションが魅力のホテルだ。フロントでアーリーチェックインを済ませ、キーカードを受け取る。ルームナンバーは3216。32階イーストタワーの角部屋である。部屋の扉をあけるとガラス窓いっぱいにイーストリバーの壮大な眺めが広がった。眼下に見える対岸のクイーンズ地区の街並み。川の中ほどに浮かぶ細長いルーズベルトアイランド。ゆったりとすべるように行きかうクルーズ船。川岸には世界平和の中枢機関である国連ビルが日の光を背に聳え立っている。そして南の一角はマンハッタンのビル群。この眺めを独り占めしてしまうのは何かもったいないような気がする一方、何か極上の旅が始まったという予感に胸がわくわくする。
ひとしきり眺めを楽しんだ後、27階のインドアプールへ行ってみる。こちらもガラス張り一面イーストリバーとビル群の展望。白とグリーンのデッキチェアと随所に置かれた観葉植物がさりげなく「都会のオアシス」を演出している。この展望を楽しみながらただひたすら泳ぐだけの毎日も悪くないかな。
一休みしてから地下鉄に乗って14丁目のユニオンスクエアで降りてみた。大勢の若者が思い思いにくつろぐエリアという印象だが、その一角のグリーンマーケット目当てに来る人も少なくない。ニューヨーク郊外やニュージャージー州の農場から運ばれてきた新鮮な野菜やくだものの即席販売である。オーガニック栽培ものが多いのは、ニューヨーカーも最近はヘルシー嗜好になったということか。みずみずしいりんごと手作りキャロットクッキーを買って42丁目グランドセントラルターミナルにたどり着いたときは、すでに夕闇おしせまる時刻。郊外へむかう列車の発着地点であるこの駅構内は、仕事を終えたニューヨーカーであふれかえっている。私も昨日までは同じように人波にもまれて歩き、あくせく働いていた。だけど今はちょっと立ち止まって同じように暮らしている人を見ると不思議な感じがする。何か自分の今までの生活を省みたくなるそんな気分だ。
2階にあるマイケル・ジョーダンのバーカウンターでマルガリータを一杯注文し、振り返って駅全体を見渡してみる。このグランドセントラルターミナルはニューヨークにありながらヨーロッパの駅舎を思わせるようなクラシックなつくり。ノスタルジックな空間の中で吹き抜けの大天井にディスプレイされたプラネタリウムタッチのネオンと隣接したメトライフビルにぬけるエスカレータだけが「現代」を象徴している。
この駅を見ていると思い出すのが子供の頃読んだ少女文学「金髪のマーガレット」。5歳のマーガレットがお母さんに連れられニューヨークへ買い物にくるのだけど、彼女一人を駅のベンチに座らせたまま、買い物にでたお母さんは馬車にひかれてしまう。物語は6,7年を経て一人でたくましく生き抜いてきたマーガレットと子供を捜し続けたお母さんがついにめぐり合うところで終わる。42丁目側の一角には壁に備え付けの古い木製のベンチがあるが、ふと5歳のマーガレットが座っていたベンチはあれだったのかしらと楽しい空想に誘われた。
こうして一人でいると実にいろいろなことが思い出され、感じられる。
駅構内を行き通う人の顔、顔、顔。白人、黒人、ラテン系、アジア系、アラブ系――人種のサラダボウルと呼ばれるニューヨークだが、今さらながらこの街は移民で成り立っているのだということを実感する。人々の歴史的、文化的背景こそちがうけど、みなアメリカ国旗に象徴されるフリーダムという精神のもとにこの街で共存しているのだ。
さて明日は何をしよう。ホテルでコンチネンタルブレックファースト? アップタウンまでジューイッシュ特製のベーグルを買いに行こうか?イーストビレッジの有名なヨガスクールへ行ってみるのも悪くない。それからコーリアンタウンのネイルサロン。そうそう急ぐ旅じゃないのだ。ゆっくりと「生活するニューヨーク」。何をするかは明日決めればいいことだ。 |
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