
赤色がキッチュで可愛い登山列車
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登山列車の中
この列車は古いタイプのもの
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緑の中を走り抜けてく...真っ赤な登山列車
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ヘルブリンゲン
赤い窓枠の木造の家がいかにもスイスらしい
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新鮮な空気が流れてくる
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空と岩のコントラストが美しい
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スイス名物の山小屋はこんな感じで点在
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世界各国、それぞれの国が持つイメージには些か偏りがあるというのは周知の事実で、日本以外の国々で「日本のイメージは?」と訊くと9割方「サムライ」「フジヤマ」「ゲイシャ」と返ってくる。最近ではそれにプラスして「トヨタ」「ソニー」「カラオケ」というところだろうか。
ヨーロッパのおへそに位置するスイスは、ヨーロッパ孤高の小国として知られており、日本のスイスのイメージはというと「永世中立国」「ハイジ」「アルプス山脈」、食通の人ならば「チーズ」「チョコレート」という返答が予想される。ちょっと政治に詳しい人ならば「EUに加盟していない、少ない国のひとつでしょう?」と返し、鉄道に詳しい人ならば「登山列車がたくさんあるよね。」と答えてくれるだろう。
日本のイメージを語る言葉を聞き、日本人として「日本はそれだけじゃぁ、ないんだけどな。」と言いたくなることが多々あるように、「外国人」の持つ、ある国のイメージというのは大概、現実とちょっとだけ的が外れているというのが普通だが、スイスは例外である。それもその筈、スイスは本当に「チーズ」と「ハイジ」と「登山列車」の「孤高の小国」なのだから。
マッターホルン・ゴットハルト・バーンは、グラウビュンデン州ディゼンティスからマッターホルンのふもと、ツェルマットまでをゆっくりと走る登山列車。オーベルアルプ・パスの高度2033mまで登り、高度650mのフィシュプを抜けて、高度1600mのツェルマットまでの約144kmの旅である。その間にある橋は126、トンネルは33。上がり下がりの高度差が世界一を誇る登山列車なのだ。
フィシュプのひとつ手前の駅、ブリッグからツェルマット行きの電車を探すと、駅の主要ホームとは離れたところに発見。各電車には乗車切符を確認する「コントローラー」が常在しており「こんにちは。」と挨拶をして乗車。今回はブリッグからツェルマットまでの、1時間24分の登山列車の旅。最近は新しいタイプの、今までよりひと回り大きく、窓枠も随分と大きい登山列車が採用されはじめ、パノラマで景色が楽しめるようになった。
発車のアナウンスと共に、出発進行!フィシュプまでは平野が続き、進行方向に向かって右側に、美しい山々が流れていく。フィシュプを過ぎると、小川のせせらぎと美しい新緑が目に入ってきた。爽快な匂いに身を任せていると「ガタン」と音がし、列車が極端にゆっくりに。何事か!と焦らなくても大丈夫。これこそまさに「これから急斜面を上がり始めますよ」という合図なのだ。
「カタン、カタン」と徐々にスピードが上がり始め、体がぐっと後ろへ押される感じ。テーブルに置いてあったウォーター・ボトルも、急斜面に耐えかねて床に落ちてしまった。ここからは進行方向に向かって左側に席を移動。左窓から見える斜面が、何とも言えぬ絶景なのである。深い谷の底にはフィシュプから続いている小川が流れ、岩と緑と滝の絶妙な自然のコンビネーションが美しさを誇っている。
道中や、更に高い山の上にもたくさんの家があるが、それは半分が居住用、そのあと半分は「シャレー」と呼ばれる休暇用の家であることが多い。夏になると、休暇を兼ねて人々が滞在するのである。家の造りは独特で、木の深い茶色に窓枠の赤がよく映える。スイス人は差し色として、赤を好む傾向があるのだが、それはおそらく、彼らが愛して止まない「シュバイツェル・クロイツ(スイス十字)」の影響だろう。
シュタルデン、カルペトラン、サンクト・ニコラウスと通り、所々に羊や牛の姿も。ラッキーならば、野生のシカも山中に発見することも出来る。ヘルブリンゲンを通り、大きく左にカーブをし始めたら、今度は進行方向に向かって右側に座る。そして、巨大な岩の斜面が姿を表した。何とも言えぬ、自然のもたらす美である。ここまで来たら、ツェルマットは目と鼻の先だ。天気が良ければテッシュを過ぎたあたりから、左側の窓外にマッターホルンの頂上を見ることが出来るだろう。
これでブリッグ〜ツェルマットの登山列車の旅も終わりだ。少し名残惜しいが、悲しむことはない。この終着駅ツェルマットこそが、マッターホルンを始めとする美しい山々の始発駅であるのだから。 |
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