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アイルランドではカラフルなドアをあちこちで見かける

イギリス統治時代、支配者階級のために
多く建てられたジョージアン調の建物
今はオフィスとして使用されている

『サロメ』や『ドリアン・グレイの肖像』で有名な作家
オスカー・ワイルドの家。今はカレッジになっている

白い窓辺に置かれた美しい花は
気持ちを和ませてくれる

仕事帰りの一杯を楽しむ男性たち
雨が多く緑豊かなことから、エメラルドの国と呼ばれるアイルランド。ケルトの香りが焚きこめられたようなこの国は、のんびりとした気風のせいか、不思議と一人旅をする人が多い。一通り観光を楽しみ、パブでお酒とアイルランド音楽を堪能した後、もし時間が余ったら、ちょっと変わったこんな時間の過ごし方はどうだろうか。

この小国の首都ダブリンのあちこちには、アイルランド人の踊り好きを反映して、実に様々なダンスクラスがある。アイルランドと言えば、すぐにアイリッシュダンスを思い浮かべそうだが、蓋を開けてみれば、フラメンコ、サルサ、タンゴ、ベリーダンス等、各国のダンスを、それも飛び込みで体験できるクラスが毎夜、どこかで開かれている。その中でも特にポピュラーでクラスが多いのは、アルゼンチンタンゴかもしれない。

街の中心に近いアビーストリートにある老舗のウィンズホテル。毎週水曜日の夜、ホテルの二階は、クリスタルのシャンデリアが放つ黄金色のライトの下で、アルゼンチンタンゴのダンスフロアーと面代わりする。ここには、タンゴシューズを抱えてやってくるタンゴおたくたちも毎週熱心に顔を見せるが、約30人位のクラスの半分は、毎週入れ替わるニューフェイスたちだ。参加者は国際色豊かで、レベルや年代も多岐に渡るので、どんな人に会えるかは行ってからのお楽しみである。

アルゼンチン人のカップルが指導しながらタンゴを進めてくれるため、初心者でも心配ない。妖艶な踊りを見せる人には、あちこちから感嘆のため息がこぼれる。また初心者が奇抜な飾り足を入れても、みんなで明るく笑い合える。

タンゴは、肌に吸い付くようなバンドネオンの独特の音色のせいか、また緩やかな動きの中に、ありったけの情熱を込めて踊るからか、ダンスフロアーはタンゴを堪能する人たちの熱気で汗ばむほどだ。7時20分から8時20分までが、中級者クラス、8時20分から9時20分までが、初心者クラス、そのあとは全てのレベルが混ざり、順々にパートナーを替えて踊るミロンガが真夜中まで続く。いったん参加料の10ユーロを払えば、誰でも夜7時20分から12時まで、何もかも忘れてたっぷりと踊ることができる。

少し風変わりな旅の思い出として、会ったばかりの人々とアルゼンチンタンゴで汗と情熱を感じながら、ダブリンの夜を踊り明かしてみるのも面白そうだ。一期一会の出会いで終わろうと、そこから何かが生まれようと、踊り終わったあとに、あなたはきっと笑顔で舞踏会を後にできるだろう。
 
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.032 旅行者でも楽しめるタンゴ教室
  取材地 アイルランド・ダブリン
  記事執筆・取材・撮影 織田村 恭子
  2006. 7. 16 掲載
 
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