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軽食を配ってくれる気さくなスタッフ

枕とブランケットとフットレストを装備

サンドイッチとコーヒーの軽食が出される

冬の間もワイン畑では作業が続く

オークでできたフランス産のワイン樽で熟成する

訪問者たちに親切に答えてくれるスタッフ

国内消費量が高いが、欧米を中心に輸出も
南アメリカ大陸に位置するアルゼンチン。周りにはチリ、ボリビア、ウルグアイ、ブラジル、ペルーなどの国々があり、バケーションともなれば国内はもとより国外へも足をのばす。こちらの夏である1月のバケーションには皆、特に力を入れて「最南端のパタゴニアへ国内旅行しよう」とか「ブラジルのビーチでのんびり過ごすのもいいかも」などと思い思いのバケーションプランを描く。

そして旅行手段も大事な要素だ。3年前に起こった経済危機から徐々に回復しているものの、アルゼンチン人にとって国際価格である飛行機はやはりまだまだ高いのが現実。そこで、「快適・経済的・行き先が豊富」で人気があるのが「長距離バス」。アルゼンチン全土はもとより近隣諸国の小さな都市まで交通網が多岐に渡っている優れた交通機関だ。

今回は冬休みを利用し、アルゼンチンの内陸都市・コルドバから約600km離れた世界生産量5位を誇るアルゼンチンワインの名産地・メンドーサまでバスで行き、ボデガ(ワイナリー)巡りの旅に出た。

長距離バスには飛行機のファーストクラスのように座席がほぼフラットになる「カマ」というタイプ、飛行機のビジネスクラス的な「セミカマ」と呼ばれるタイプ、そして座席が少ししか倒れない「エコノミコ」と呼ばれるまさにエコノミークラスのようなタイプと3つある。一台の中でクラス分けしてあるのではなく、タイプごとにバスが違うのが特徴だ。

飛行機でファーストクラスは難しいので、せめてバスだけでも…と今回は「カマ」タイプに乗ることに。このタイプはバスの中で快適な睡眠を提供するのが目的なため夜出発が多い。旅に出る人、帰省する人、出張に行く人などバスターミナルはいつも賑わっており、遠距離恋愛の別れのシーンを見かけるのもここだ。

2階建てバスに乗ると、まずは夜食または朝食用としてサンドイッチが手渡される。1階にはトイレがあり、各階にドリンクサーバーがある。大きめのシートには毛布、枕が用意され、フットチェアまであるのもこのクラスならでは。帰省客、旅行客などを乗せ、いざ出発。まもなくテレビから映画が流れはじめ、約8時間の乗車時間をこのようなエンターテインメントで飽きずに過ごすことができる。

快適な座席でぐっすり眠り、目を覚ますとそこはアンデス山脈の麓にある目的地・メンドーサ。アルゼンチンワインの約90%を生産するこの土地には1000以上ものボデガがある。通常、ボデガでは約1時間の見学ツアーを行っており、生産工程の説明はもちろん、芳しい香りのするワイン樽が積まれた薄暗い貯蔵倉庫まで案内してくれる。

最後にはお楽しみのテイスティング。酒屋でもなかなか手に入らないワインを試飲できるのもボデガツアーならでは。牛肉の消費量が高いアルゼンチンでは赤ワインが愛されているようだが、白ワインもなかなか…などとほろ酔い気分で次のボデガへ。

すっかり気に入ってしまったこのバスの旅。もし日本の真裏・アルゼンチンまで足を延ばしたら、時間を気にせずのんびり気ままなバス旅行に出かけてみませんか?
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.035 ワインの産地をめざしてバスの旅
  取材地 アルゼンチン・コルドバ
  記事執筆・取材・撮影 佐藤 晃子
  2006. 9. 1 掲載
 
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