Shall We Travel? - 旅心をくすぐるサイト
HOME 海外特集 旅術 NEWS FLIGHT×FLIGHT PHOTO
和の季節 グルメ STUDY ENGLISH! イベントカレンダー メールマガジン 編集後記

現代的な香りが漂う美術館

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア通り
州議事堂はジョージア産の金箔で彩られている
週末に開かれるオープンマーケット

美しいショッピング街ではベンチに座ってリラックス

ボタニカルガーデンのエントランス
1年前、ホノルルからアトランタへ住まいを移した。その直後、「アトランタって名前はともかく、意外と素顔を知られていない街だよね」と日本の知り合いから言われた。以来、このことは「なぜ?」という疑問とともに走馬灯のように頭の中を巡りつづけている。私は、まるでその答えを見つけるかのように街へ繰り出した。

アトランタは、一日の通過旅客数が米国最大という巨大空港を抱く地方都市として知られる。空港から北上すると、国を代表する大企業の本社ビルが林立するダウンタウンがすぐだ。また、世界のニュースを24時間放送しつづけるCNNセンターや、南北戦争と奴隷解放の歴史を象徴的に今に伝えるジョージア州議事堂もある。「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア通り」や「ミッチェル通り」など、ジョージアにちなむ著名な人物名を冠するストリートに出くわすと、この街が米国史上で担ってきた役割を自ずと実感することになる。

アトランタを州都に擁するジョージア州は、米史上初の独立13州の一つであり、その名も英国王ジョージ2世にちなんでつけられた。保守色が濃いとはいえ、これまで黒人奴隷解放運動指導者のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師や「人民の大統領」として知られ、退任後も平和外交に専念しつづけるカーター元大統領などを輩出している。その上、気候が温暖で人々もフレンドリー、住宅も安価で生活しやすいため、現在も他州からの移入者が引きも切らない。

さて、ダウンタウンに隣接するのはミッドタウン。週末ともなれば思い思いに憩いの時間を楽しむ市民が集まる広大なピードモント公園。そして、かつて例をみない大規模なルーブル美術館展が、2006年より3年にわたって開催されているハイ美術館がある。「風とともに去りぬ」のマーガレット・ミッチェル記念館や、エキゾチックな建物のフォックス劇場もあり文化の香りが漂う。適度な刺激があるエリア――それがミッドタウンなのだ。

ここからさらに北上すると緑深い住宅街が広がる。南部ビクトリア様式の白亜の柱がホワイトハウスとみまがう建築の家、著名な建築家フランク・ロイド・ライト様式のモダンな家、あるいは広いポーチでお茶ができるよう家具を美しく配した家・・・、見ているだけで楽しくなる。リスがせわしなく木の実をほおばる森に点在するこうした住宅街では、夏に蛍が飛び交い風情がある。

南東部の歴史と文化。そこに暮らす人々の、素朴だけれど豊かなライフスタイル。これらが調和を保ち融合する街、それがアトランタだ。

残念ながら今回、冒頭の問いへの答えは見つからなかった。いや、答えなんて見つからなくていい。知られざる魅力に溢れるこの街の素顔が伝わるよう書いていこう、そういう気持ちになった。
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.058 知られざるアトランタの素顔を探して
  取材地 アメリカ・アトランタ
  記事執筆・取材・撮影 荒川 玉野
  2007. 8. 16 掲載
 
 メールマガジン - Shall We Travel?MAIL  
 海外特集「この空を越えて」を執筆したライターのショートエッセイを写真とともに掲載。
 またサイトの更新情報などをお送りいたします。
※テキスト版もあります。
登録
解除
バックナンバー
 
このページのトップへ