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通称「チベット街」の入り口

チベット仏教の仏具を売る店
チベット族の衣装を着た人たちが歩く九寨溝の街角
仏教の言葉が赤字に金で美しく書かれている

喫茶店の入り口。チベットはバター茶が有名
三国志の聖地として有名な武候祠。四川省成都市を紹介するガイドブックに必ず載っているこの場所は、いつもいろいろな地域から来た観光客でにぎわっている。だが、一本通りを入ったところに広がるチベット街は、日本からの旅行者にはほとんど知られていない。

成都は、実はチベットへの入り口である。武候祠近くにはチベット自治省政府がおかれ、少数民族・チベット系の人たちがたくさん住んでいる。ここを歩けば、いつでも民族衣装をまとい、中国語とは違う言葉を話す人たちに会うことができる。

街中の、車の往来も激しいこの場所で空を見上げると、「タルチョ」と呼ばれる祈りの旗がひらめいている。チベット文化圏ならどこでも見られるこの五色の旗には経典が書かれており、一度風に吹かれるたびに一度祈りを唱えたことになるのだという。チベットの中心地、ラサの写真には、いつだって絵の具を溶かしたような真っ青な空を背景に白い寺院、そして、美しい旗たちが写っている。

「タルチョ」にはさまざまな文様が描かれているが、特に魅力的なのは「風の馬」(ルンタ)という模様だ。風に乗って空を自由に飛びまわり、仏法をひろめるという馬の姿はとても可愛らしい。

成都には風が少ない。また、盆地であるため天気が悪く、青い空もほとんど見られない。街中を歩く民族衣装の人たちは本来、真っ青な空、風が吹き渡るチベットの高原で、自然とともに生きてきた人たちだ。風のない成都の街で、彼らはどんな気持ちなのだろうか。

そんな風に思いを馳せることもあるが、やはりチベット街を歩くのは楽しい。「タルチョ」やマニ車など、チベット仏教の法具を売る店、きらきらしたアクセサリーを扱う店、そして甘いバター茶が飲める喫茶店やレストランなどが、たくさん軒をつらねている。武候祠、杜甫草堂、竹の公園など、漢詩の世界を彷彿とさせる見所のそろった成都にて、一味違う中国に触れるのもまた興味深い体験である。
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.059 成都にて、チベット街を歩く
  取材地 中国・四川省成都市
  記事執筆・取材・撮影 柳坪 幸佳
  2007. 9. 1 掲載
 
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