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ブーゲンビリアの小路
仲良しどうし

洗濯物もカラフル
ゴレ島の娘さんも微笑んで

土産物店に掲げられたお面も微笑みかける

現代のとんぼ玉
一歩足を踏み入れると、時がとまった世界に迷い込んだかのよう。セピア色の地面に、植民地時代のコロニアル・ピンクの壁面、淡いグリーンの窓枠。小路に足を向けると、ブーゲンビリアのピンクの花が顔をのぞかす。アフリカの地の眩しい太陽に照らされて、地元の子どもたちの笑顔が光り輝く。民家の庭に干された洗濯物の色鮮やかさが眩しい。

ここは、セネガルにあるゴレ島。一周2キロほどの小さな島だ。パリ・ダカール・ラリーで有名なセネガルの首都ダカール市内の船着場から、フェリーで20分のところにある。ポルトガル、オランダ、イギリス、そしてフランスと、長きにわたって植民地下にあったこの地は、現在は世界遺産の町として各国からの観光客を迎えてくれる。

ふと、バオバブの木の並木道に出くわす。サン=テグジュベリの「星の王子様」に嫌われていた、悪魔によって引っこ抜かれ、根を上にして上下さかさまに植えられたとされる木。この時期のゴレ島では、高台へと続く坂道の途中、緑の葉を茂らせ旅人たちにやさしい木陰をつくっている。

灼熱の太陽を避けながら息を切らしてのぼると、高台にたどり着く。昔のフランス領植民地時代の総督府や、第二次大戦の頃の砲台跡が何気なく残されている。今では、その砲台を陳列台にした土産物の売り子の声が、時々思い出したかのように聞こえてくるだけである。大西洋から高台にふきぬける風が涼しい。

港の近くにあるピンク色の奇妙な形の建物は、奴隷貿易の集積地として悲しい歴史を刻んだ建物、「奴隷の家」である。3世紀半にわたって、アフリカの人々がこの地に集められ、新大陸アメリカに送られた。ぽっかりと空いた「帰らざる出口」と呼ばれる戸口を覗き込む。
この暗闇を抜けても、船の中そして新大陸でもさらにつらい生活が待ち受けていたという、悲しい歴史のスタート地点だ。ネルソン・マンデラ氏も長い間お祈りをささげていたというこの場所を、その末裔であるアメリカからの観光客が訪れ、静かに祈っている。

アフリカのとんぼ玉を探して、海辺の土産物店を覗いてみる。100年以上も前、ヴェネチアから物々交換の交易用としてアフリカに持ち込まれたとんぼ玉は、現在ではアンティークとしてかなり高価な土産物となっている。売れ筋は、現代のガラスでできたとんぼ玉アクセサリー。そして現代のアーティストによるポップな絵画である。ユーモラスでつい手が伸びる。

昔の人々の息遣いとその重み、現在の人々の穏やかな生活が感じられる島。過去と現在が交差するこの島は、国境を越え訪れる人々を魅了している。
  海外特集 (毎月1日・16日更新)
  vol.062 過去と現在が織り成す不思議な空間
  取材地 セネガル・ゴレ島
  記事執筆・取材・撮影 中林 さえ子
  2007. 10. 16 掲載
 
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