Recipe 41
ゴマペースト3種(エジプト)
おいし〜い魔法の言葉!
誰もが一度は耳にしたことがあるだろう呪文。「千一夜物語 (アラビアンナイト)」の一話、「アリババと40人の盗賊」登場する、金銀財宝の詰まった洞窟の扉を開ける魔法の言葉である。これをアラビア語でいうと?・・・
「イフタフヤーシムシム!」
ゴマが鞘を飛び出すときに勢いよく弾けるようすから、アラビア世界でこのような慣用句が生まれたらしい。実はこのゴマ、エジプトか、あるいはアフリカのサバンナが原産地ではないかといわれているそう。ナイル川流域では5000年も前から栽培されているというから、侮れない存在といえよう。私たちが食べているのは、鞘から取り出した種。生では固く、風味もよくないので、通常は炒ったり擦ったりして香辛料や風味付けとして料理に用いられる。
エジプトでは、このゴマをパンにまぶして焼いたり(「ボソマート」と呼ばれる、棒状のパン。パン屋さんでは山積みにされて売られている)、ゴマのペーストにして料理に使われる。たとえ料理の主役となることはなくても、エジプト料理にはなくてはならない存在である。
エジプト料理を出すレストランではまず、「メゼ」と呼ばれる前菜の盛り合わせと、エジプト風ピタパン「アエーシ」が食卓を飾る。「ホムス(ヒヨコマメ)」や、白ゴマのペースト「タヒーナ」、タヒーナに焼きナスを加えたペースト「ババガヌーク」など、それらをアエーシですくったり、挟んだりしてたっぷりといただく。
今回、紹介する3種のペースト「ホムス」「タヒーナ」「ババガヌーク」は、このゴマをたっぷりと使い、それぞれもうひとつのエジプト風味を加えたものである。ホムスはマメ大好き人のエジプトの代表的なマメ、「エジプトマメ ( =ヒヨコマメ )) 」とゴマのペースト。タヒーナはヨーグルトの酸味がゴマのコクとぴったりマッチした、メゼの王様と呼ばれる一品。牛乳のみならず、水牛、山羊、羊の乳からも「ギブナ」と呼ばれる塩辛いチーズをつくるエジプト人にとって、乳製品は欠かせない食材である。砂漠の民ベドウィンにとってはラクダのお乳も貴重な栄養源だという。さらにもう一品、ババガヌークは夏の香りが豊かな焼ナスとゴマのペースト。日本人の口に最も合うのでは、と思う。大いに期待してぜひ作っていただきたい。
いずれもレシピと銘うつまでもない超簡単なものばかり。BGMにアラビア音楽・・・お勧めは、当地の人気歌謡曲、「Helwa Ya Baladi(ヘルワ ヤ バラディ)=祖国が恋しい」・・・を流しながら是非トライしてほしい。
Written & Photographed by Minako Sato
ホムス
(エジプト豆とゴマのディップ)
◆材料 適量
・ホムス*1
500g
・ゴマペースト
小さじ2
・にんにく
1片
・クミン
2つまみ
・オリーブ油
大さじ2
・塩
適量
*1 エジプト豆、ガルバンゾー、あるいはその形から
ひよこ豆(チックピー)と呼ばれる
◆作り方
1.
エジプト豆は倍量の水に1晩漬けておく。
2.
豆を煮る(強火)。泡が出たらすくって捨てる。泡が出なくなったら中火にし、水が減ったら足しながら3時間ほど煮る。
3.
煮豆3カップに対し、その他の材料を混ぜ、フードミキサーでペーストにする。
タッヒーナ
(ヨーグルト風味のペースト)
◆材料 適量
・練りゴマ(白)*1
230g
・プレーンヨーグルト
250g
・オリーブオイル
大さじ4
・にんにく
1片
・オレガノ
1つまみ
・乾燥ミント
1つまみ
・塩
適量
*1 市販の練りゴマでよい。しゃぶしゃぶのゴマだれやピーナッツバターでもオリジナルな味が楽しめる
◆作り方
1.
材料をフードプロセッサーで一気に混ぜれば完成。
タッヒーナ・ババガヌーク
(焼きナスとゴマ)
◆材料 適量
・タッヒーナ
大さじ3〜4
・米ナス*1
大1本
・にんにく
2片
・パセリ
大さじ4
・クミン
小さじ1/2弱
・チリパウダー
小さじ1/2弱
・刻んだ赤ピーマン
適量
・塩
小さじ1/2
*1 普通のナスの場合は4本
◆作り方
1.
ナスを網の上で転がしながら焼き、または串刺しで皮を焼いて冷まし、皮を剥いでフォークの背でつぶす。
2.
タッヒーナや他の材料を混ぜる。パセリと赤ピーマンは最後にさっくりと混ぜる。
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